PROCESS 加工方式
導光板の加工方式とパターン設計
導光板は、板のフチ(エッジ)から入れたLEDの光を、面全体の光に変える板です。その変換を担っているのが、板に施された小さな「拡散パターン」——ドット印刷・レーザー加工・Vカットといった加工方式です。このページでは、それぞれの仕組みと見え方の違い、向いている構成を、提携工場から確認できた情報をもとに整理します。なお、当サイトで製作を承っているのはレーザー加工とVカットの2方式です(インキを使うシルク印刷は、環境面の理由から提携工場では行っていません)。読み終える頃には、「方式は指定しなくていい」ことも分かるはずです。
PRINCIPLE 光の仕組み
なぜ「加工」が要るのか。
フチの光は、そのままでは面から出ません。
導光板の光源は、板のフチに一列に並んだLEDです。フチから入った光は、透明な板の中を反射を繰り返しながら奥へ奥へと進んでいきます。透明な板はいわば「光の通り道」で、何もしなければ光は面からほとんど出てこず、板は光って見えません。
そこで、板の面に小さな凹凸や印刷を施します。まっすぐ進んでいた光がそこに当たると向きが変わり、面の外へ——つまり、見る人の側へ出てきます。この「光の向きを変える小さな仕掛け」をどう作るかが、加工方式の違いです。
導光板は、こうした加工とパターン設計によって面発光を実現しています。仕組みの基本から知りたい方は、導光板とはのページもあわせてご覧ください。
METHODS 3つの加工方式
ドット印刷・レーザー加工・Vカット。
それぞれの仕組みと持ち味。
どれが優れている、という話ではありません。光の見え方とつくりたいものの相性で、向き不向きが分かれます。ここでは、提携工場から確認できた事実をもとに、向き不向きを正直に整理します。
01
ドット印刷
光を拡散させる白いインキの細かなドットを、板の面にスクリーン印刷する方式です。ドットの大きさと間隔を変えることで、面から取り出す光の量を場所ごとにコントロールします。インキの粒が光をよくにじませるため、やわらかく落ち着いた面の光になりやすいのが持ち味です。
※当サイトの提携工場は、環境面の理由からシルク印刷に対応していません。そのため、この方式での製作は承っておらず、仕組みの解説として掲載しています。
02
レーザー加工(ドットレーザー)
レーザーで板の表面に微細な凹みを点状に刻んでいく方式です。インキを使わないため板の透明感が残りやすく、すっきりとクリアな印象の光に仕上がります。切削の線が出ないため、両面発光の板や薄い板で有利——これは提携工場の確定見解です。彫りの密度をデータで細かく描き分けられるので、ロゴや図案の部分だけを光らせる「図案発光・局部発光」にも対応できます。
03
Vカット
板の面にV字断面の細い溝を、一定方向に切削していく方式です。溝の斜面が鏡のように光を受け止めて面の外へ向け直すため、光の取り出し効率(出光率)が高いのが最大の持ち味。一方で、板が薄いと溝の線が見えやすく、両面発光では反対の面からも線が見えてしまいます。そのため片面発光の板に向く方式です——この向き不向きも提携工場の確定見解です。
| 比較の観点 | ドット印刷 | レーザー加工 | Vカット |
|---|---|---|---|
| 仕組み | 拡散インキのドットを面に印刷 | レーザーで微細な凹みを点状に刻む(ドットレーザー) | V字断面の溝を切削 |
| 光の印象 | やわらかく、落ち着いた面の光 | 透明感が残る、クリアな光 | 直線的で整った、すっきりした光。出光率が高い |
| 向いている構成 | — | 両面発光の板・薄い板。図案発光・局部発光にも対応 | 片面発光の板(出光率の高さを活かせる) |
| 注意点 | 環境面の理由により提携工場が非対応 | — | 板が薄いと線が見える。両面発光でも線が見える |
| 当サイトでの製作 | 承っていません | 承っています | 承っています(片面発光でおすすめ) |
使い分けの結論(提携工場の確定見解)
- 片面発光の板ならVカット——光の取り出し効率(出光率)が高く、明るさを活かせます。
- 両面発光の板・薄い板ならレーザー加工(ドットレーザー)——Vカットで見えてしまう溝の線が出ません。
- フチの処理(封端)はアルミバー巻きと銀膜巻きの2種。価格は同じで、光る範囲にも差はありません。アルミバー巻きは構造が強く放熱にも有利なため屋外・半屋外向きで、実際のご注文の約9割がこちらです。銀膜巻きは薄く仕上がるので、納まりの厳しい屋内に向きます。指定がない場合はアルミバー巻きになります。
※「向いている構成」「注意点」は提携工場から確認できた確定情報です。同じ方式でもパターンの設計しだいで見え方は変わるため、実際の案件では用途・サイズ・設置環境から総合的にご提案します。
PATTERN DESIGN パターン設計
面が「均一に」光って見えるのは、
パターンがわざと不均一だから。
断面のイメージ。エッジから入った光を、面の拡散パターンが少しずつ外へ向け直しています。
どの加工方式にも共通する、もうひとつの大切な仕事が「密度の設計」です。光源であるLEDに近い場所は光がたっぷり届くのでパターンをまばらに、遠い場所ほど光が減っていくのでパターンを密に。距離による明るさの差を、パターンの濃淡であらかじめ打ち消しておくのです。
つまり、面が均一に光って見える導光板ほど、パターンそのものは場所ごとに細かく変えてある——ここが導光板づくりの面白いところです。この設計が甘いと、光源の近くだけ明るい「ムラのある板」になってしまいます。
また、光をどの辺から入れるか(片側だけか、向かい合う2辺か、4辺すべてか)や、両面を光らせる構成かどうかでも、適したパターン配置は変わります。目安として、幅500mm以内の板なら向かい合う2辺からの入光で足り、幅500mmを超える板では4辺入光を推奨しています(提携工場の確定基準)。パターンは単体で決まるものではなく、板の仕様とセットで設計されるもの。仕様側の考え方は仕様の選び方で詳しくご案内しています。
写真の見どころ
- 面いっぱいに並ぶ細かな点——これが拡散パターンです。一粒ずつが、板の中を進んできた光の向きを変えています。
- 近くで見ると点、離れると面——粒そのものは小さく、少し離れて見ると一枚の光った面として見えます。
- 均一に見える=設計が効いている——光源から遠いほどパターンを密に。距離による明るさの差を、あらかじめ打ち消しています。
HOW TO CHOOSE 方式の選び方
結論:方式の指定は、しなくて大丈夫です。
加工方式は、サイズ・見せたいもの・設置環境から逆算して決まる「結果」です。案件の中身さえ分かれば、方式はこちらで組み立てられます。
図面と用途から逆算
お送りいただいた図面と「どこで・何を見せたいか」から、適した方式とパターン設計をご提案します。方式名を覚えていただく必要はありません。
見え方は言葉で伝わる
「やわらかく光らせたい」「透明感を残したい」「すっきり見せたい」。そんな言葉のご希望で十分、方式選びの手がかりになります。
1枚のご相談から歓迎
まず1枚だけ試したい、という段階のご相談も歓迎です。図面は手描きのラフでも、スマホの写真でも構いません。
価格への効き方も一緒に
方式や仕様の違いが費用にどう響くかは、案件ごとにご説明します。考え方の全体像は価格の決まり方→をご覧ください。
パターン加工のほかに対応できること(確定情報)
| 加工 | 対応 | 備考 |
|---|---|---|
| 異形カット(円・楕円・ロゴ形状) | 可 | 角の丸みは最小R10cm(R100mm)以上。細かい形状や細部の切り欠きには対応できません |
| UV印刷 | 可 | 内容に応じて個別にご案内します |
| シルク印刷 | 不可 | 環境面の理由により提携工場では対応していません |
| レーザー彫刻 | 可 | ロゴや文字の彫刻表現に |
| 開孔(取付穴など) | 可 | 実際の製品仕様に応じて個別にご案内します |
※上記は提携工場から確認できた確定情報です。ここに記載のない加工や、寸法・仕様との組み合わせによる可否は、個別にお問い合わせください。
図面を送るだけ。
仕様の決め方からご一緒します。
寸法・用途・設置場所がわかるものを、そのままお送りください。手描きのラフでも、スマホの写真でも構いません。まずは「これ、作れますか?」の一言からで大丈夫です。
お見積り・ご相談を承ります。初めての方も、1枚だけのご相談も歓迎です。
IN THE FACTORY 加工の様子
実際に、こう削っています。
言葉だけではイメージしづらい部分なので、提携工場での加工の様子を短い映像でご覧いただけます。再生ボタンを押したときだけ読み込まれます。
※ 映像は提携工場での加工の様子です。当社は仕様の判断と、届いた品の検品を担当しています。